好評だった一支國の至宝展

昨年十二月十五日から二月二十一日まで、大阪和泉市の府立弥生文化博物館で「海の王都原の辻遺跡と壱岐の至宝」と題して特別展が開催されており、十数年前に船着き場が発掘された際の特別展以来久しぶりに訪れた。受付で「壱岐からどなたが来ておられますか」と聞くと「松見さんが来られ午前中は展示室の説明をされ、二時から講演があります」と整理券を渡された。二階の展示室は流石本物の展示であり亀形飾金具など大昔の物とは思えない程、精巧で輝いており他の展示物も全て説明文があって、来館者は展示物と共に撮影をしたりメモをして真剣に見入っていた。全部を見るには一時間では時間が足りない位であった。講演の二十分前に一階会場に行くと百七十席がすでに満員で、立派な資料を渡され、松見学芸員が「今渡した資料を持って是非壱岐に来て下さい」と言うと会場の一角から拍手があった。映像の説明も分かり易い口調で「時々人面石はムンクの叫びに似ているとよく言われますがこちらの方が二千年前の物で本家です」とジョークを交えながら笑わせたり、又壱岐が古代いかに重要な役割の島であったか、何でこんな小さな島に長崎県全体の六割以上の古墳があるのか、とか地理的に何故壱岐が長崎県なのかなど説明もあり、皆真剣に聞き入っていた。十分間の休憩の際、後ろに座っていた人は「以前壱岐出身の社長に焼酎を貰った」など話していた。その後館長と松見氏の対談の際館長が「弥生遺跡は全国に沢山あるが三大遺跡と言えば農耕の登呂遺跡、集落としての吉野ケ里遺跡、交易の原の辻遺跡である」と言われ、いかに原の辻遺跡が重要な役割を果たしている遺跡であるか強調された。私以外は大阪近郊の考古学愛好者と思われたが、壱岐へのアクセスを説明し「壱岐へ来て下さい」と二度も言われたのは壱岐出身者にとっては嬉しかった。このうち何人かが友人と共に壱岐を訪れる気になればと思った。最後に一支国博物館と復元遺跡を上空から写した画像では会場全体がウオーとどよめきが起こった。関西は以外と考古学ファンも多く、グルメや景色だけが観光に繋がるのではなく今回の企画が観光に寄与出来るか大きな試金石となるのではないかと期待したい。

                    関西壱岐の会
                         副会長   目良 恒郎